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岩壁に彫られた千手 観音像が見守る、洞 窟内の寺院

弘法大師が作ったと伝えられる、日本最古の石仏

栃木県宇都宮市にある「大谷寺」は、大きな岩山の洞窟に包まれるようにして建てられた極めて珍しいお寺です。鎌倉時代には坂東三十三観音の第19番霊場として多くの人々から尊崇されてきました。本堂には自然の岩壁に彫られた磨崖仏が10体あり、中でも高さ約4mの千手観音像は810年に弘法大師によって作られたと伝えられる、日本最古の石仏です。古くから「大谷観音」として親しまれ、国の特別史跡かつ重要文化財に指定されています。

その昔、この一帯は大小の岩々が屏風のように立ちはだかり、中は広く平らに広がっていたことから、大谷と呼ばれました。この中に住んでいた毒蛇が岩下から毒を流し出し、人々が困っていたところ、この話を聞いた弘法大師が谷の中へ赴き、毒蛇を退治するとそのまま去っていったといいます。喜んだ人々が谷の奥へ入ると、岩山には金色に輝く千手観音が彫ってあり、弘法大師への感謝で仏教を信仰する者が増えたという言い伝えが大谷寺のはじまりです。境内の池の中央には弁財天が祀られており、心を入れ替えた毒蛇が白蛇となってお仕えしています。

ある研究によると、大谷寺の千手観音像はバ―ミヤン石仏との共通点が見られることから、アフガニスタンの僧侶が彫刻した「日本のシルクロ―ド」であるとも考えられているようです。また、併設された宝物館では、洞窟の中から見つかった縄文時代の遺跡が展示されています。
  • 〒321-0345 栃木県宇都宮市大谷町1198
  • ウェブサイト
  • JR日光線「宇都宮」駅よりバスで30分

周辺紹介 | 大谷観音

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