緑豊かな池泉回遊式庭園と大正時代の建築美に触れる
日本を代表する文豪たちに愛された、旅館「起雲閣」の歴史と面影を今に伝える
起雲閣は緑豊かな3000坪の敷地の中に、日本家屋の美しさをとどめる和館、異国情緒たっぷりの洋館、散策しながら四季折々の景色が楽しめる池泉回遊式庭園が広がる観光スポットです。基となるのは、1919年に大正・昭和期の政治家で海運王とも呼ばれた実業家、内田信也が実母の静養のために築いた別荘。「熱海の三大別荘」とも賞賛された名邸は時代とともに所有者を変え、1947年に旅館「起雲閣」として生まれ変わりました。数多くの宿泊客を迎え、山本有三、志賀直哉、谷崎潤一郎、太宰治など、日本を代表する文豪たちに愛されたといわれています。2000年に熱海市が取得し、文化と観光の拠点として一般公開されました。
見どころは、大正時代を偲ぶ歴史的な建築物の数々。伝統的な和風建築の佇まいである和館「麒麟」は、簡素な造りでありながら、随所に先駆的な技術が施されていることも特徴です。座敷と同じ高さに揃えられた畳廊下は、車椅子で生活をしていた実母への思いやりと考えられています。そのほか、ローマ風浴室が併設された洋館「金剛」、アールデコデザインを基調にしたサンルームが併設された洋館「玉姫」など、日本・中国・欧州の様式を融合させた独特の雰囲気の洋館を見学することができます。旅館時代のバーを活用した、気品あふれる喫茶室「やすらぎ」で、ゆっくりとコーヒーを飲みながら庭園を眺めるのもおすすめです。
- 〒413-0022 静岡県熱海市昭和町4-2
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ウェブサイト
- 熱海駅から伊豆箱根バスで約10分、「起雲閣前」バス停下車、徒歩すぐ